07.人間がウイルスを発見してまだ120年|YouもMeもほぼほぼウイルス

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さて、ここからはウイルスと人間との歴史についてひも解いていきましょう。

 

ウイルス学の歴史はまだ120年ちょっと

今ではその存在を知らないものはいない!程に有名になったウイルスですが、ウイルスが発見されて研究が進んだのは、ここ120年くらいの話です。その前までウイルスは、病気の原因となる”サムシング”として知られるようにはなっていたのですが、詳細はまったく解明されていませんでした。

ちなみに、ウイルスを「感染する病気の病原体(微生物)」という意味で最初に用いたのは、フランスの細菌学者ルイ・パスツール博士です。

パスツール博士は、ワインやビール等の発酵が微生物の働きであることを発見したり、低温殺菌法を開発したり、白鳥の首フラスコ実験で自然発生説を完全否定したりしたことでも知られる殿方です。

 

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ルイ・パスツール

(1822年12月27日 – 1895年9月28日)

フランスの生化学者・細菌学者。

パスツール名言「チャンスは準備が整った心の人にやってくる」

 

1880年頃、パスツール博士はヨーロッパで問題になっていた狂犬病予防の研究をしていました。あ、狂犬病とはウイルス性の感染症です。この病気にかかったワンワンは超攻撃的になり、狂犬病の犬に噛まれると人間も100%の確率で死んでしまうため、多くの国では犬への狂犬病の予防接種が義務付けられています。 

私が小さい頃に飼っていたシーズー犬のポッちゃんも、定期的に狂犬病の予防接種に行っていました。物凄い気性の荒いシーズー犬で、見た目はかわいい小型犬ながら、周囲の人間を噛みまくりだったので、もしポッちゃんが狂犬病にかかってしまっていたら…家族もろともあの世いきでしたね…。

※噛まれた後でも、発症に時間がかかるので、直後であればワクチン接種が効く場合があるそうです。

 

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パスツール博士はこの狂犬病の研究過程で、狂犬病にかかっている犬の脳内を顕微鏡でいくら調べても、原因の細菌が見つからないことから、顕微鏡では見ることができない病原体の微生物を「ウイルス」と呼ぶことにしました。これが感染症をもたらす見えない微生物が、ウイルスと呼ばれた最初の例です。

そして、それから10年以上経った1898年。タバコモザイク病という、栽培中のタバコの葉っぱが斑点模様になってしまう病気と、家畜の牛の間で大流行していた口蹄疫という病気の研究によって、植物ウイルスと動物ウイルスがそれぞれ発見され、ウイルス学が加速度的に発展していきました。

次回はこのタバコモザイクウイルスにまつわる与太話をしたいと思います。

 

今回のおすすめのウイルス本

我がこれまでに読んだ中から、選りすぐりのウイルス関連本などをご紹介します。今回はこちらです。

ウイルス・ルネッサンス―ウイルスの知られざる新世界(山内一也)

ルネッサーンス!です。

ウイルス学者界のリンカーンこと山内一也大先生が、ウイルスの新しい側面について軽快にまとめてくださっている御本です。

今思ったのですが、表紙のウイルス写真、コロナっぽいですね…

 

以上です。

 

 

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