05.ウイルスは「バイ菌」の一種?|YouもMeもほぼほぼウイルス

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ウイルスはバイ菌なのか?

ウイルスは小さくて感染すると病気になるというイメージから、細菌(バクテリア)とよく混同されます。

がしかし、細菌とウイルスは相違点もあるものの、ふたつは「全然ッ」違うものです。

その点、自分自身が長い間、勘違いしていたからというわけではないのですが、新橋のSL広場辺りでアンケートを取ったら、きっと半数以上の人が「ウイルス=バイ菌(細菌)」と回答するのではないかと思います。

というわけでここからは、細菌とウイルスの違いを比較しながら、ウイルスについて学んでいきたいと思います。

ええ、ええ、ついでに細菌のことも知られて一石二鳥ですね。

 

細菌とウイルスの違い

細菌とウイルスの一番の違いは、細菌には代謝をするための機能があるけれど、ウイルスにはそれがないというところです。代謝とは「栄養(材料)となるものから生命活動のために使うエネルギーを作る、一連の流れ」のことです。食事、呼吸、うんち、植物ならば光合成、これらは全て代謝の働きに含まれます。

代謝の機構がない分ウイルスは身軽なので、一部例外もあるものの、平均的に細菌よりもサイズが小さく、体のつくりも単純になります。この辺のことをごくごく簡単に表にまとめてみました。

 

細菌(バクテリア)とウイルスの比較

  細菌(バクテリア) ウイルス
概略 原核細胞を持つ単細胞の微生物のこと。 細胞を持たない構造の微生物。
サイズ 1~2μm(マイクロメートル)※程。 平均的には20~40nm(ナノメートル)程であるが、1,500nmのウイルスも発見されている。
構造
 
細胞を守るための細胞壁、細胞膜を持つ。その周りに線毛、鞭(べん)毛等も持つ。 細胞壁、細胞膜はない。脂質でできたエンベローブやタンパク質でできたカプシドという膜を持つ(種類による)。繊毛を持つウイルスもいる。
遺伝物質 遺伝物質は、DNAとRNAを持つ。 遺伝物質は、DNAかRNAのどちらか一方を持つ。
代謝 代謝の機構を持っており、水と栄養、エネルギーがあれば代謝する。 しない。
増殖 増殖するために必要なリボソーム(核酸が持つ遺伝情報をタンパク質に翻訳する働きをする)、タンパク質・酵素を持つ。単独で存在し、水と栄養があれば、自力で分裂によって増殖する。 自己増殖するためのタンパク質・酵素を持っていないため、自力では生存できず、他の生物(宿主となる生きた細胞)に感染し、その細胞内の代謝機構を乗っ取って、部品組み立て方式で増殖する。
病気の例 結核、赤痢、コレラ、チフス、ジフテリア、破傷風、梅毒、淋病、慢性胃炎等。 インフルエンザ、麻疹(はしか)、AIDS(後天性免疫不全症候群)、ノロ、ロタ、狂犬病、水痘・帯状疱疹、エボラ出血熱、デング熱、肝炎(A型~E型)、ポリオ等。
その他 肉眼で見ることはできず、光学顕微鏡※で見ることができる。 多くのウイルスは、肉眼はもちろん光学顕微鏡でも見ることができず、電子顕微鏡で見ることができる。

※1,000nm=1μm=1/1,000mm ※光学顕微鏡は、通常0.0002mm位までのものが見えます。

 

色々違いがありますね。ちなみに次回はこの流れで、バイ菌をやっつける抗生物質(抗菌薬)とウイルスについて解説します。

 

今回のおすすめのウイルス本

我がこれまでに読んだ中から、選りすぐりのウイルス関連本などをご紹介します。今回はこちらです。

Virolution (Frank Ryan)

「Virolution」とは、

「Virus(ウイルス)」+「Evolution(進化)」

そう、一言で言うと、「ウイルス進化説」のことですね。

ウイルスが生き物に感染してゲノムを変化させ、その結果多種多様な生き物が生まれているという説です。

この本は凄いですよ。ギャッとなります。ダーウィンの進化説って何だったんだろう…プロパガンダかなんかか?となることでしょう。

…内容は英語なので、、、ええ、ええ、日本語訳のバージョンの紹介はまた今度に…たまに英文で苦労するのもいいですよね。

以上です。

 

 

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