どうもです。紀伊国屋書店の魔法にかかり、ついつい衝動買いしてしまいました。
「貧困を救えない国 日本
」
紀伊国屋書店って、ちょっと店内をふらつくと、じゃんじゃん買ってしまうのですが(今回も1万2000ペソ程…)、レイアウトが巧みなんでしょうか。
まあ、書物の買い物依存症ならいいか。(読書は脳の栄養)
で、内容が重たい御本ですが、今読んでおいた方がいい御本です。本書著者ルポライターの鈴木大介氏の本は、いけのり通信で以前にも紹介したことがあります。
「老人喰い」（鈴木大介）オレオレ詐欺について書かれた凄い本。自分は大丈夫と思っている両親に送りたい。
↑ この「老人喰い」もおもしろかったですねー。
オレオレ詐欺の現場部隊の若者の洗脳の仕方とか、勉強になりましたね。
罪悪感を取り除くために、司令塔の方で色々施しをするんです。高齢者からお金を騙し取るのは悪いことではないという…
それ以外にもめっちゃ組織化されてて、半端ねぇ〜話とか。知っておいて損はない情報が詰まっていました。
で、今回の御本は日本の貧困問題について、対談形式で語っておるものです。
のっけからグッときたのは、「貧困」と一緒くたにせず、「貧」と「困」は分けて捉えた方がいいという話。
落合陽一氏が「日本再興戦略」
こういう、一緒じゃないけど一緒にされちゃってる言葉って、探せば結構ありそうですよね。
えッ？ ウッチャンナンチャン？ そりゃコンビ名だっぺ。
…話を元に戻しましょう。
読んでる途中、聞いたことはあるのだけど、はて、正しい意味を問われたら謎だ…という用語がいくつか出てきまして、それがタイトルにもある「マタイ効果」と「ルサンチマン」です。
ルサンチマンについては、ライムスターとクレイジーケンバンドの刹那的な名曲「肉体関係part2」の中に出てきていたので、なんとなく大丈夫だった自分。
「淫らな男女関係は危険だ! 恋のルサンチマン
うらみ・つらみ・ねたみ・そねみ・ひがみ
うらみ・つらみ・ねたみ・そねみ・ひがみ♪」
ええ、ええ、ルサンチマンとは、怨恨，復讐を意味する語。ニーチェ用語です。
ルサンチマン
被支配者あるいは弱者が、支配者や強者に対してため込んでいる憎悪やねたみ。この心理のうえに成り立つのが愛とか同情といった奴隷道徳であるという。
深い言葉ですね、ルサンチマン。私にもあなたにもルサンチマンが…
次、マタイ効果。これは、あのマタイのことだろう。と思ったら当たりでした。
がしかし、どのマタイだと鋭く突っ込まれたら、うまく答えられないため(結局よくわかってない人)、突っ込まれた時のために、ちゃんとした意味をコピペしておきますね。
マタイ効果
富める者はますます富み、奪われる者はますます奪われるという現象。
ええ、ええ、お金持ちはどんどんお金持ちになり、貧しい人はどんどん貧しくなってしまう流れですね。
会社内では、仕事のできる人にはどんどん仕事が集まってきて、経験が増える一方、仕事があまりできない人からは仕事が逃げていき、社内での立ち位置がどんどん危うくなるというアレです。
仕事がどんどん増えて死にそうになった時には、
「これが、マタイ効果か…」
と思い出してくださいね。全て血となり肉となり、、です。
…おや、話が飛んでしまいましたね。
対談によると、日本国内でサポートが必要な経済状況の人数は、なんと1900万人。国民の6人に1人です。
これを聞いて、えッ、嘘でしょ？ と思う方、どれだけいるでしょうか。
ええ、ええ、周囲の友人知人の6人に1人が、食べるのにも困る状態、ではないですよね。
この本にも書かれているのですが、多くの人の反応は、この日本でそんな貧困状況、信じられないというものだそうです。
というか、私自身ピンときてなくて、そうなのか…ええ、ええ、ホンマかいな！ という思いです。
知らないうちに壁が、見えない壁ができてしまっているのカモ鴨長明です。
占いでお金ないーというお客様もボチボチいらっしゃいますが、それにしたって30分5000円、1時間1万円出せちゃうレベルです。十分お金持ちですよね。
また、ほかにも、貧困問題精神科医療の話、よく言われる学力との相関関係の話も、ため息混じりには読めない内容なのですが、ご興味を持たれた方はぜひ手に取ってみてください。
知らんふりもできますが、知っておいたらいつか何かの形で、役に立てたりする日がくるかもしれません。
以上です。