パンスペルミアな学者たち

Panspermia scholars

 

 

変人って言われても、奇人って言われても、頭がどうにかなったのか?? と言われても気にしない…彼らはただ正直に科学的な実証データに基づいて「パンスペルミア説」を唱えただけなんだぁ~

ここではそんな、奇人変人扱いされてもへこたれなかったパンスペルミアな学者さんである、サー・フレッド・ホイル博士、チャンドラ・ウィクラマシンゲ博士、フランシス・クリック博士 + ウィリアム・トムソン博士、ヘルマン・フォン・ヘルムホルツ博士という、泣く子も黙る計5人の天才博士たちをピックアップさせていただこうと思います。

 

サー・フレッド・ホイル(Sir Fred Hoyle)博士

チャンドラ・ウィクラマシンゲ(Chandra Wickramasinghe)博士

フランシス・クリック(Francis Harry Compton Crick)博士

トムソン博士、ヘルムホルツ博士

 

 

 サー・フレッド・ホイル博士

(Sir Fred Hoyle, 1915年6月24日 – 2001年8月20日)

イギリスウェスト・ヨークシャー州ブラッドフォード出身の天文学者でもあり、有名なSF小説作家でもあるサー・フレッド・ホイル博士。1957年王立協会の会員に選出され、1972年にはナイトに。

 

功績・業績・提唱

・彗星パンスペルミア説
・宇宙の元素合成理論
・ビッグバン命名
・トリプルアルファ反応
・定常宇宙論
・人間原理

 

フレッド・ホイルと言えば「定常宇宙論」

1948年、ケンブリッジ大学の教授であったホイルは、ヘルマン・ボンディ (Hermann Bondi)、トーマス・ゴールド (Thomas Gold) らと、「宇宙は空間的にも時間的にも不変であるとする『定常宇宙論』」を提唱し広く支持された。

 

ビッグ・バンの名づけ親であるフレッド・ホイル

また、ホイルは「ビッグ・バン」の名付け親としても知られている。

アメリカのガモフ博士が提唱した「宇宙は超高温・高密度の火の玉から生まれたとする『火の玉宇宙論』」に対して懐疑的だったホイルは、BBCのラジオ番組内で、ガモフの理論を「まるで大きな爆発(ビッグバン)みたいにして宇宙が始まったらしい」とからかった。「火の玉宇宙論」はそれから「ビッグバン宇宙論」で定着したのだった。

 

彗星パンスペルミアとウイルス進化論

ホイルは1978年、生命は彗星で発生し、彗星と地球が衝突することで地球上にもたらされたと発表。生命の起源を自然主義的に説明する化学進化の理論を頑強に批判した。

また、地球上での生命の進化は彗星によってウイルスが絶えず流入することによって起こると主張した。これを「ウイルス進化論」という。

 

有名なボーイング747のたとえ話

チャンドラ・ウィクララマ・シンゲとの共著「Evolution from Space」(1981年4月出版)の中では、最も単純な単細胞生物に必要な酵素が全て作られる確率は、 10の40,000 乗分の1であるという計算を導き出し、宇宙に存在する原子の個数はこれに比べると極々小さい(約 10の80乗)ため、生命が誕生したとされる原始スープが宇宙全体を満たしていたとしても、そのような物質が作られる機会はないと論じた。

ホイルは、以下のように述べている。

「 生体高分子だけでなく、生物細胞の制御プログラムまでもがこの地球上の原始的有機物スープの中で偶然にもたらされたという考えは明らかに高次元のナンセンスである。 」

ホイルは、最も単純な単細胞生物がランダムな過程で発生する確率を

「がらくた置き場の上を竜巻が通過し、その中の物質からボーイング747が組み立てられる」

のと同じくらいだと言っている。

ホイルはまた、アミノ酸が偶然組み合わさり、単機能のたんぱく質が生成される確率は、太陽系全体に埋め尽くされた盲目の人間が同時にルービックキューブを解くくらいあり得ないとも述べている。

 

著書

生命・DNAは宇宙からやって来た (5次元文庫マージナル)
宇宙物理学の最前線
生命は宇宙から来た―ダーウィン進化論は、ここが誤りだ (カッパ・サイエンス)
宇宙の本質 (コスモス・ブックス)
生命はどこからきたか

 

フレッド・ホイルのWikipediaへ…

 


 

 チャンドラ・ウィクラマシンゲ博士

 

略歴

1939年1月20日、スリランカの首都コロンボに生まれる。

1960年、セイロン大学(今のコロンボ大学)の数学科を卒業。第一回の英連邦奨学生の3人の中の1人に選ばれ、ケンブリッジ大学に入学。そこで世界的に著名な理論天文学者でもありSF作家でもあるフレッド・ホイルと出会う。

フレッド・ホイルとともに、生命は宇宙に満ち溢れているという「パンスペルミア説」を徹底した実証主義に基づいて研究しました(詳しくはコチラのページでも)。

 

おもな受賞歴、就任歴

・スリランカの国家栄誉賞「ウッドヤ・ジョディ」

・ケンブリッジ大学「パウエル英詩賞」、「タグ・ハマーショルド科学賞」

・ウェールズ大学応用数学・天文学学科長

・スリランカ大統領科学顧問

・スリランカ基礎科学研究所所長

・バッキンガム大学ウチュ生物学研究センター長

 

著書

・Interstellar Grains (Chapman & Hall, London, 1967)
・Light Scattering Functions for Small Particles with Applications in Astronomy (Wiley, New York, 1973)
・Solid-State Astrophysics (ed. with D.J. Morgan) (D. Reidel, Boston, 1975)
・Interstellar Matter (with F.D. Khan & P.G. Mezger) (Swiss Society of Astronomy and Astrophysics, 1974)
・The Cosmic Laboratory (University College of Cardiff, 1975)
・Lifecloud: The Origin of Life in the Universe (with Fred Hoyle) (J.M. Dent, London, 1978)
・Diseases from Space (with Fred Hoyle) (J.M. Dent, London, 1979)
・Origin of Life (with Fred Hoyle) (University College Cardiff Press, 1979)
・Space Travellers: The Bringers of Life (with Fred Hoyle) (University College Cardiff Press, 1981)
・Evolution from Space (with Fred Hoyle) (J.M. Dent, London, 1981) ISBN 978-0-460-04535-3
・Is Life an Astronomical Phenomenon? (University College Cardiff Press, 1982) ISBN 9780906449493
・Why Neo-Darwinism Does Not Work (with Fred Hoyle) (University College Cardiff Press, 1982) ISBN 9780906449509
・Proofs that Life is Cosmic (with Fred Hoyle) (Institute of Fundamental Studies, Sri Lanka, Memoirs no.1, 1982)
・From Grains to Bacteria (with Fred Hoyle) (University College Cardiff Press, 1984) ISBN 9780906449646
・Fundamental Studies and the Future of Science (ed.) (University College Cardiff Press, 1984) ISBN 9780906449578
Living Comets (with Fred Hoyle) (University College Cardiff Press, 1985) ISBN 9780906449790
Archaeopteryx, the Primordial Bird (with Fred Hoyle) (Christopher Davies, Swansea, 1986) ISBN 9780715406656
・The Theory of Cosmic Grains (with Fred Hoyle) (Kluwer, Dordrecht, 1991) ISBN 9780792311898
・Life on Mars? The Case for a Cosmic Heritage (with Fred Hoyle) (Clinical Press, Bristol, 1997) ISBN 9781854570413
・Astronomical Origins of Life: Steps towards Panspermia (with Fred Hoyle) (Kluwer, Dordrecht, 2000) ISBN 9780792360810
・Cosmic Dragons: Life and Death on Our Planet (Souvenir Press, London, 2001) ISBN 9780285636064
・Fred Hoyle’s Universe (ed. with G. Burbidge and J. Narlikar) (Kluwer, Dordrecht, 2003) ISBN 9781402014154
・A Journey with Fred Hoyle (World Scientific, Singapore, 2005) ISBN 9789812565792
・Comets and the Origin of Life (with J. Wickramasinghe and W. Napier) (World Scientific, Hackensack NJ, 2010) ISBN 9789812814005
・A Journey with Fred Hoyle, Second Edition (World Scientific, Singapore, April 2013) ISBN 9789814436120
・The search for our cosmic ancestry, World Scientific, New Jersey 2015, ISBN 978-981-461696-6.
・Walker, Theodore; Wickramasinghe, Chandra (2015). The Big Bang and God An Astro-Theology. Palgrave Macmillan US. doi:10.1057/9781137535030. ISBN 978-1-349-57419-3.

 

Chandra WickramasingheのWikipediaへ

 

 


 

 フランシス・クリック博士

1981年にはフランシス・クリックとレスリー・オーゲルが、高度に進化した宇宙生物が生命の種子を地球に送り込んだとする仮説を提唱した。「地球が誕生する以前の知的生命体が、意図的に“種まき”をした」とする説は「意図的パンスペルミア」と呼ばれている。

これは、一般的なセンスではまるでSFのネタのようにも聞こえる説ではあるが、クリックはこの説の生物学的な根拠を提示した。現在の地球上の生物でモリブデンが必須微量元素と重要な役割を果たしているが、クロムとニッケルは重要な役割を果たしていない。しかし、地球の組成はクロムとニッケルが多い、モリブデンはわずかしか存在しない。これは、モリブデンが豊富な星で生命が誕生した名残だと考えることができる、としたのである。もうひとつの論拠として、地球上の生物の遺伝暗号がおどろくほどに共通したしくみになっているのは、そもそも「たったひとつの種」がまかれて、その種から地球上の全ての生物に変化していったのだ、と考えられる、としたのである。

フランシス・クリックのWikipediaへ…

 


 

【番外編】

 トムソン博士、ヘルムホルツ博士

ウィリアム・トムソンもパンスペルミア説を唱えた。ウィリアム・トムソンを嫌っていたツェルナーは、トムソンの様々な説を批判し、トムソンの支持したパンスペルミア説も批判した。「大気圏突入の熱に耐えられない」と攻撃した。トムソンの仲間のヘルムホルツはトムソンの説を擁護。隕石の深部の温度は上がらないので大丈夫、隕石表面の微生物や大気圏突入時に隕石が割れた部分の微生物は大気圏の摩擦で振り落とされゆっくり落ちるのでショックは小さい、と擁護した。

ウィリアム・トムソンのWikipediaへ…

ヘルマン・フォン・ヘルムホルツのWikipediaへ…


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