「ぼくは愛を証明しようと思う。」(藤沢数希)大学生集団暴行事件でナンパの参考にされていた恋愛工学の本。

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恋愛工学による激モテ指南本

どうもです。今回は、大学生たちが起こした性的な集団暴行事件で、ナンパの仕方の参考にされていたと非難が殺到すた恋愛工学の基本書、「ぼくは愛を証明しようと思う。」(以降ボクアイ。ええ、ええ、セカチュー的に…)の書籍レビューです。

「ぼくは愛を証明しようと思う」

著者の藤沢数希氏については、以前、「損する結婚 儲かる離婚(新潮新書)」の書籍レビューでご紹介させていただきました。

その時のレビューはコチラです↓

【読書】「損する結婚 儲かる離婚」面白過ぎて一気読み。がすかす、読むとますます結婚が遠くなる本(笑)

 

で、「ボクアイ」が出版されたのは、2015年6月。

ええ、ええ、2年も前のため、今更感ありありなのですが、本サイトを愛すてやまない奇特な(ある意味危篤な)読者様から、本書の占い師の書籍レビューが読みたい!とリクエストをいただいたので、読んでみました。

そすたら、、、、占い師的にとっても面白かったんだぁ〜。読みやすくて漫画みたいな小説でした。

 

では、内容に入ってまいります。

 

【内容紹介】(Amazon)
渡辺正樹、27歳、弁理士。誠実でまじめなことが取り柄だが、恋愛ではいつも失敗ばかり。そんな僕が、ひょんなことから「恋愛工学」のマスターに出会う。そして、真実の愛を探す冒険に旅立った。

「恋愛工学を知れば知るほど、そして、実際にたくさんの女の行動を目の当たりにすればするほど、世間に広まっている恋愛に関する常識は、すべて根本的に間違っていることを確信した。恋愛ドラマやJ-POPの歌詞、それに女の恋愛コラムニストがご親切にも、こうしたら女の子にモテますよ、と僕たちに教えてくれることの反対をするのが大体において正しかった。」(本文より)

恋も愛もすべてはテクノロジーが勝利する。ネットで話題騒然の「恋愛工学」の全貌がはじめて明らかに!現代の男女関係を生き抜くための戦略的恋愛小説。

 

【目次】
プロローグ
第1章 非モテコミット
第2章 出会いのトライアスロン
第3章 はじめてのデート
第4章 恋愛プレイヤー
第5章 Aを狙え
第6章 星降る夜に
エピローグ

 

 

非モテ男だった主人公が、ナンパ師からナンパテクを伝授され、モテる恋愛プレイヤーになっていくストーリーです。

小説の物語に沿って、「恋愛工学」に基づいたモテ(ナンパ)テクが紹介されていく感じです。

 

あ、そして、、中身そのものの紹介に入る前に、この御本にはちょっと特筆すべきことがあります。

Amazonのカスタマーレビューの高評価と低評価の割れっぷりが、半端ネェことです。

 

レビューの荒れっぷりが凄い

 

★★★★★と★がきれいに割れとる

 

ここで、好き嫌いがハッキリ分かれる本と言うのは良い本だという説があります。(ホンマかいな)

ええ、ええ、この説に則ると、本書は良書なのカモ鴨長明…

気になった方はぜひぜひ、実際にAmazonのレビューに目を通されてみてください。特に低評価のレビューが熱い。一部、タイトルのみピックアップしてみましょう。

 

・新興宗教「恋愛工学」。実践して捕まる人もあり

・犯罪スレスレ、いかに効率良く沢山の女性を騙しヤリ捨てするかの本

・女性をバカにしている

・吐き気がして読み通せなかった。しかしこれは男女間の永遠の問題か

・童貞の妄想

・イタい本

・性根腐った人が放つ死臭漂う本

 

何故、ここまで熱過ぎる低評価レビューが書かれてしまうのかというと(著者の盗作疑惑やら経歴詐称の疑惑はおいておいて)、文中の表現が読み手の心を「上手にざわつかせる」という点が大きいと思う占い師です。

せっかくなので、いくつかざわつく描写をピックアップしてみましょうか。

 

①主人公と先輩ナンパ師のこんな会話のシーン↓

「東京は巨大なソープランドですね」

「ああ、しかも無料のな」

 

②ナンパした相手のルックス9段階格付けメモ↓

下の下〜上の上まで

 

③ナンパがうまくいき出した主人公のこんな心の声↓

僕たち(恋愛)プレイヤーは、熟練した金庫破りが精密な道具を使い分け、どんな金庫の扉も開けてしまうように、恋愛工学の様々な道具を使って、女の股を開いてしまうのだった。

 

いかがでしょうか。ざわ…ざわ…とすますたか?(それはカイジ)

 

 

ええ、ええ、小説なのですし、あ~おもしろかった(おもしろくなかった)、、でいいと思うのですが…。

「こりゃAmazonで一言書いてやらな気が済まんわ!」

みたいな気持ちにさせるのが、巧みなんでしょうね。

マイナスレビューを見て本に興味を持たれる方もいますから、レビュー書いてすまった方はある意味、藤沢氏の恋愛工学ならぬ、レビュー(投稿)工学にハマってすまった方なのカモ鴨長明ですが。(嫌よ嫌よも好きのうち)

 

で、、ここからやっと本題に。(やっとかい)

低評価レビュー祭りの中、我がこの御本を好きな理由はですね、作品中に中二病にはたまらない感じの用語がふんだんに盛り込まれている点です。(そこかい)

といわけで、占い師の心に響いてしまい、今後、日常生活で使ってしまいそうな用語(というか、既に昨日から使っているものも…)をいくつかご紹介しましょう。

 

恋愛工学用語集

非モテコミット
あなたを愛してる、僕にはあなたしかいないんだという一途な想いや行動、必死なアプローチ。しつこく連絡したり、プレゼントを送ったりなども。女はそんな男の一途な想いを心底嫌う。

 

スタティスティカル・アービトラージ戦略
ナンパでゲットすた姫君様らのLINE IDに、メッセージを送りまくる戦略。数撃ちゃ当たる。確率論以上に、こいつがダメでも他がいる、というのは安心感につながり、結果的に目の前の女に嫌われることを恐れたり、萎縮してしまうことを避けることができるという優位性をもたらす。

 

フィッシュオン!
女(魚に例えられている)が餌に飛び付いて、デートの約束を取り付けた時に!取り敢えずの歓喜の声。

 

タイムコンストレイントメソッド
女に話しかける時に、嘘でもいいから『これからちょっと用事があって20分しかないんだけど』と言ったり『5時から仕事があってもう行かないといけないんだけど』と言ったりして、こちらが立ち去る時間を先に伝えること。こうすることで、向こうに長時間拘束されないという安心感と、忙しい重要人物という心象を与えることができる。

 

ルーティン
女に話しかけたり、会話を弾ませたりする時に繰り返し使えるナンパの台本のようなもの。毎回使うデートコース全体を指したりする。DVDルーティーン=家でDVDを見ようと言って誘う手法、フレグランスルーティーン=いい匂いがするなどと言ってさりげなく近付く手法など細かいものが多数ある。

 

オープナー
話しかけるきっかけ。前出の道を尋ねる手法などもその一つ。他には観光地での「写真撮りましょうか?」の手法も。また、これには、間接法と直接法が存在する。

間接法とは、こちらの性的な意図を隠して別件で話しかけること。
直接法は、最初から男女の仲になることを示して声をかけること。

 

肉市馬
ナンパ師の間で、簡単にさせてくれる女が多いことで有名な六本木のクラブ。

 

ザオラメール
連絡がしばらく途絶えていた女に久しぶり!などと言って様子伺いのメールをすること。

 

ストナン、クラナン
ストナンとはストリートナンパ、すなわち、道端でのナンパ。クラナンはクラブでのナンパ。

 

…肉市馬って、いつ使うねんという感じですが。

姫君の皆さん。「気持ちの良くなる穴の開いた肉の塊」などと思われないように賢い選択を…

 

ルーティーンとかは仕事でも応用できそうですよね。

⇒「(営業先の会社の社長さんへの子供等の)誕生日プレゼントルーティーンしとこう」

 

ザオラメールもいけそうですね。

⇒「先月アタックしっぱなしの営業先に、ザオラメール出しとけよ!」

 

ええ、ええ、飛び込み営業みたいな意味で、ストナン、クラナンあたりもいけますね。

⇒「今週はストナンで部長以上の名刺100枚集めて来い!」

 

中二病ってこういうのが好きなんですよね。ムフフ。

と、まあ茶化すのはこれくらいにすて、、問題なのは、こうすて言葉を軽くすることで、恋愛工学のナンパテクが犯罪に使われた時に、当事者の罪の意識をも薄れさせてしまうことです。

うむ、恋愛工学は人とのコミュニケーションを円滑にするツールとして平和に使えたらいいですね。

 

ちなみに、占い師的にこの御本を読んでいただきたい対象者は、

「姫君とうまく付き合えない非モテ殿方」

以上に、

「ナンパされ、殿方にいいように扱われる可能性のある若い姫君」

の方です。オレオレ詐欺の啓発と一緒で、具体的な手口とか、そもそもこういう悪い手を使って人をいいように扱おうとする人が、人間界には存在しているのだという現実を若いうちに理解しておけば、

ナンパされて妙な事件に巻き込まれたり、事件でなくても、ナンパ師にもてあそばれて悲しい思いをする姫君が減ると思うのです。

昔、、占い師も夜な夜なクラブ活動をしていた時代がありますて、、、その時にこの御本に出てくるようなナンパ師集団と親しくなる機会があり、本書を読んでいてその時のことが思い出されました。

彼らは複数人でリアルナンパRPGをしているかのように、メールやグループメッセンジャーを使ってナンパ情報をやり取りしたり、各々の状況を報告し合ったりしていた。

「今部屋連れ込みました!」「終わりました!」「見た目程じゃない女だった!」みたいなやり取りをとっても楽しそうに…時に写真付きで。

 

この御本が出る、ずっと前の話ですよ。

 

ええ、ええ、いつの時代にも危ない人はいます。

本書で言うところの「ルーティーン」や「オープナー」テクを用い、さもナンパではないように(セクロス目的ではないように)近付いて来る上手な狼は、確実にその辺に存在すているので、

うら若きオトメの皆さん!事前にそういったナンパ手法を知っておき、大切な操を守ってくださいませ。(昭和か)

 

こんな記事もどうぞ。

「恋愛工学」はなぜ危険なのか 女性蔑視と愛の砂漠

恋愛工学はアングラカルトとして弾圧するよりもっと周知して白日のもとに晒した方が良い

 

以上です。