青いコートの君 第2話

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〈登場人物〉

主人公(池子):一つ星大学合格を目指し、鼻血を出す程ガリ勉中の浪人生(女)。

 

〈これまでのあらすじ〉

数日前、、OK大学の受験会場で

一緒だった田舎者浪人生の主人公と謎の美少年、青いコートの君。

本命大学の受験前夜のコンビニで偶然出くわした二人。

一体ここからどんなドラマチックなドラマが…!?

(ドラマチックなドラマってクドイヨ)

———

 

「…もしかしてなんやけど、、、OK大学受けてたりせえへん?」

 

一言も話してない後ろの席の我を青いコートの君は覚えていてくれた。

まじでSKY(JALブランドの麺類に寄せたギャグ?)うれしぃいい~。

 

「あの、私も、あれ?もしやこの人は、、、と思って…」

 

「おーーー!やっぱり!すげえな」

 

「!!!」

 

「今、もし時間あったら、ちょっと話さへん???」

 

 

えええええー。どえええええー。

 

どうしよう、うれし過ぎるお誘い…

が、試験前夜にうつつが過ぎぬか。

いやしかし、偶然とは思えない青いコートの君との再会。完全に運命を感じてしまったのです。

 

「うんっ。」

 

というわけで、若い二人はそこからお茶をすることに相成りました。

明日の本命大学も同じだということ、というか、なんと学部まで一緒であった…

お互いの出身地や数学の難問話、ミスチルの話、話題が尽きないなんとも楽しすぎる時間。

別れが名残り惜しかったもののお部屋までいくわけには行かず、最後は携帯の番号を交換。

 

「明日がんばろうな~」

 

ということでさよならをしたふたり。

 

あああ、大変。アドレナリンが大放出している…

受験を控えた緊張と相まってまったく眠気が起こらない浪人女子であった。

 

やばいな。しかし眠れないものは眠れない。

しょうがない故、諦めて一晩中偏差値が上がると話題のモーツァルト「2台のピアノのためのソナタ」をヘビロテしよう。

 

あ、受験生・資格試験に励む皆様、ぜひ試してみてください。都市伝説ですが…

 

 

そして迎えた本試験当日。

 

OK大学の時とは違い、まったくもって手応えがなく…撃沈してしまった。

例年の問題より難しかったような。

(だいたいそう感じるもんですね)

 

うぅぅ。これはダメだったかも…と気持ちがどんどん沈んでいく。

一緒に東京に来ていた浪人生の友人と気分転換と思い出作りを兼ねて、都庁へ行くことになりました。

 

「東京の夜景…まるで宝石箱じゃ〜」

 

彦麻呂に寄せたコメントを力なく残し、新幹線に乗るため東京駅へと向かいました。

 

新幹線が出発して間もなくのことでした。

携帯に着信が。

 

ええ、ええ、な、なんとぉ~

青いコートの君からの着信です。

ハァハァ、死ぬ…

動悸をさせつつ、即デッキに出ました。

 

「おつかれ!!まだこっちおる?どやった?俺全然ダメやった~」

 

声を聞いて、沈んでいた気持ちが一気に回復しました。

回復どころか、周りに花が咲いている幻覚まで…

 

「私もね、全然ダメだった~。今、もう新幹線の中」

 

「あ、そうか、もう乗ったん?じゃあ、今度落ち着いたら、、、…メシ食いにいこうや!」

 

えッ、…なんですと?

メシのお誘いですか?

う、嬉しい。。。

 

またまた、喜び度レベルが上がりまくって、

 

「テ、テテテテテテテテテテ」

 

欽ちゃんの仮装大賞高得点状態の浪人女子。

 

「そうね!集合やー!どっかに引っかかってますように…」

 

ー数日後ー

OK大学の合格発表の日。

 

よかった。受かってました。

コレで田舎者、上京は決定です。

そしてその夜、青いコートの君からショートメールが届きました。

 

「どうやった?」

 

向こうはどうだったんだろうか。

受かっててくれ。頼む…そう思いながらこちらの状況を返信する。

 

「受かってた。そちらはどうだった?」

 

すぐに電話がかかってきました。

 

「俺も受かった!あぶねーー!!」

 

「おおおお!よかったー!!!」

 

「後期の勉強全然やる気起きん」

 

「あああ私も。後期の分(のエネルギー)、前期で使い果たしたよ」

 

国公立大の受験は、前期試験と後期試験にわかれておりまして、前期試験に不合格だった場合、後期の試験を再度受けられることになっています。

ええ、受けることになるかどうかも分からぬ試験に向け、勉強するのはとってもシンドイ。。。

 

「二人とも受かってますように…」

 

神に全身全霊、祈る。

 

神様!ガリ勉のご褒美ください。

 

そして迎えた国立大学、一つ星大学の合格発表当日。

自身の受験番号をあああ!あるある、我のナンバーが。

何とか受かった。受かってました。

 

あとは、ちょっと小躍りしつつ、青いコートの君の報告を待つ…

そして、、、携帯が震えました。

 

ブーブーブーブー…

 

おや、ずっと震えています。今回はショートメールではなく、いきなり電話がかかってきました。

 

「アカンかった~後期受けるわ。…そっちは結果どやった?」

 

ううううう、アカンかったのか。

アカンかったのかぁーー!(涙)

しかも受かったとか言いにくいヨ!

 

「うん、、、受かってたという…」

 

「おおお!すごいやん!俺、後期がんばるわ」

 

「応援する!!!!」

 

「おう」

 

 

というわけで、第2話に続きます。

 


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